1.無駄な音は省いた方がいいよ

    早弾きと、テクニック誇示に憧れた中学・高校時代。バンド活動で生活費を稼いだ
   大学時代。その頃から心有る先輩からは言われてました。「無駄な音は省くもんだ。」と・・・。
   その頃行ったジャズピアニストのマル・ウォルドロンの市民会館でのコンサート。
   「レフト・アローン」。何も言うことはありません。
   「余計な音は省くもんだ。」という方向性に目覚めた瞬間でした。

2.バンド活動は30歳前に辞―めた

    無駄な音が気になって・・・気になって・・・。特にサイド・ギターマンに言いたいですね。
   サイド・ギターって言うのは、曲にもよるけど、あんまり聞こえちゃー駄目なんですよ。
   常にメロデイ―ラインの引立て役に徹しないとね。居る時には分からないくらいで、
   それでいて抜けたら、ポッカリ穴が空いてバンド全体の音が薄くなる。そういう存在が
   サイドギターだと思っています。いいバンドというのは、きっとサイドギターにベストの職人
   がバッキングに徹して座っています。

3.オルタネートベースとの出会い

    独 り無聊をかこちながら、音の薄さと戦いながらもレコード相手に合奏を試みる日々に
   出会ったのが、ミシシッピ・ジョン・ハートやステファン・グロスマンの演奏するオルタネート
   ベースを基調にしたソロギターでした。それまでジャズバンドの安定したベースや
   リズムセ クションにばかり憧れていましたが、独りでノリも出せる、アクセントも付けらる、
   目から鱗の奏法との出会いでした。
    この頃、フラットピックを捨てて、サムピックに変えました。慣れるまで3年位かかりました。

4.新調したギターはLL31B

     一時はアコーステイックギターの製作者を本気で目指しましたが、部材が入手難で
   あっさ りギブアップ。でも部材の知識は身に付きました。それまで弾いていたセミアコから
   純生アコギに切替える際、約2年位探し回って、結局選んだ基準は、「ベース音がデカく
   て、重厚なこと。」でした。
   イージーオーダーで、手が小さな自分のためにネックを一回り細くしてもらって、ベース音
   が当時のどんなギターよりバカデカくてズシーンと感じました。ネームが入って納品の日は
   抱いて寝ました。

5.そして、自己流ソロ求道のワン・ギターライブ

   私は自分が気に入ったコードで演奏しています。それを探しながら響きを鳴らすのが
  とてつもなく楽しいからです。時にはベースラインだけで伴奏します。その方が引立つ曲
  もあるからです。
  もう、歳も歳です。以前は使わなかったカポもふんだんに使って、出来るだけ楽して弾い
  てます。
  もっともっと無駄な音を省いて、省力化してブルージーなフレーズが弾けないかを課題に、
  息永く自己流ソロギターという裏街道でのワン・ギターライブを続けます。
                                                (16.12.18記)

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